エネコミ

2018年3月配信

2018年 3月26日
九州電力玄海3号機、7年3ヵ月ぶり稼働/プルサーマル4基に

 九州電力は23日午前11時、玄海原子力発電所3号機の原子炉を起動した。3号機の運転は、2010年12月の定期検査入りで停止して以来、約7年3カ月ぶり。同日午後11時10分に臨界に達した。順調に進めば、25日中に発電機を並列し、送電を再開する。営業運転復帰は4月下旬を見込む。今月14日には関西電力大飯発電所3号機が原子炉を起動しており、新規制基準に適合した上で原子炉起動に至ったのは、玄海3号機を含め5発電所で計7基となった。
 玄海3号機では、燃料集合体193体のうち32体をMOX(ウラン・プルトニウム混合酸化物)燃料とするプルサーマル発電を実施する。MOX燃料を使った原子炉の起動は、四国電力伊方発電所3号機、関西電力高浜発電所3、4号機を含め、3発電所4基となる。
 23日は玄海3号機中央制御室で運転員12人が作業に当たった。今村博信執行役員・所長らが見守る中、午前11時ちょうどに運転員が「制御棒引き抜き操作を開始します」と声を出し、制御棒操作レバーを倒して原子炉を起動。約半日で、核分裂が安定的に持続する臨界に達した。
 玄海3号機は1月の原子炉起動を目指していたが、昨年10月に神戸製鋼所などによる製品データ改ざんが発覚したことを受け、部品の安全性確認を行ったことなどから工程が約2カ月後ろ倒しとなった。玄海4号機は5月中の原子炉起動を目指している。
 瓜生道明社長は「原子炉起動は、再稼働工程の重要なステップの一つと認識している。引き続き、国の検査に真摯に取り組むとともに、工程にとらわれることなく安全確保を最優先に慎重に進めていく」とのコメントを発表した。

(電気新聞2018年3月26日付1面)