わたし |
ねぇ、じぃじ。この間テレビで「シェールガス」って言葉を聞いたんだけど、あれも天然ガスなの? |
じぃじ |
うん。下の図を見てごらん。一般の天然ガスは地中の砂岩などにたまっているんだけど、シェールガスというのは、頁岩(けつがん/シェール)と呼ばれる地下1,000~3,000メートルの岩盤層のとても小さな割れ目に封じ込められている天然ガスのことなんだ。 |
わたし |
それがなんで急に有名になったの? |
じぃじ |
それはね、もともとシェールガスの存在は知られていたんだけど、採掘が難しくて取り出せなかったんだ。ところが、2000年頃からアメリカで低コストの採掘技術が確立されたんだよ。 どんな方法かというと、ガスがある岩盤層に高圧の水と化学薬品を注入してひびをつくり、そのひびからガスを採取して地上に吸い上げる、というものなんだ。この技術を使って実際に2005年頃から生産が拡大しているよ。いわゆる“シェール革命”だね。 |
わたし |
なんかその言葉も聞いたことある! |
じぃじ |
ただ、この採掘方法が環境に悪影響を与えるという人もいて反対運動が起きたりもしているし、この技術に対して規制をしている国もあるようだね。 |
わたし |
なるほどねぇ。ちなみに、低コストで採掘できるっていうことは、安く輸入できるのかなぁ…? |
じぃじ |
日本は早ければ2016年からシェールガスの輸入が始まる予定なんだけど、液化や輸送のコストを加えても、これまで輸入してきた天然ガスの価格より、2~3割安くなるとの予想もあるよ。シェールガスの輸入によって資源調達の選択肢が増えれば、日本の価格交渉力の強化にもつながるんだ。 |
わたし |
日本にとってはいいことだね。 |
じぃじ |
ただ、これからも安価であり続ける保証はないよ。シェールガスはアメリカで多く産出されているけれど、アメリカでは天然ガス市場の需給バランスで大きく価格が変動する。実際2014年1月にはアメリカの北東部を襲った大寒波で、日本の天然ガス価格の3倍以上に高騰したこともあるんだよ。 |
わたし |
単純な話じゃなさそうだね。 |

2014年4月に策定された国の「エネルギー基本計画」において、天然ガスは「役割を拡大していく重要なエネルギー源」「国際的には高い価格で調達」と記されています。また、再生可能エネルギーは「安定供給面、コスト面で様々な課題が存在するが、(中略)有望かつ多様で、重要な低炭素の国産エネルギー源」、原子力は「安全性の確保を大前提に、エネルギー需給構造の安定性に寄与する重要なベースロード電源」とあります。
このように、エネルギー資源には一長一短があるためバランスよく組み合わせて活用する必要があります。今後、より良いエネルギーのあり方について考えていくことが求められています。