エネコミ

2017年8月配信

知っておきたいエネルギーのおはなし(14)

じぃじ、毎日使う電気は、これからもずっと必要なものだよね! わたしのイラスト
じぃじのイラスト そうだね。
これからもずっと電気を使っていけるように、エネルギー問題のポイントを、一緒に考えよう。

国際情勢に左右されるエネルギー資源

わたし 日本は、エネルギー資源の9割以上を輸入に頼っているんだよね。
じぃじ よく覚えていたね。日本は、石油だけではなくて石炭や天然ガスなど化石燃料のほとんどを海外からの輸入に頼っているんだ。
しかも、資源の輸入価格は、国際情勢に左右されるんだよね。だから、国際関係が不安定になると価格が高騰するどころか、資源の輸入そのものが全てストップしてしまう可能性もあるんだ。
そうすると、日本は大変なことになってしまうね。資源の少ない日本にとって、エネルギーのもととなる資源を安定的に確保することは、常に大きな課題なんだよ。
主要国のエネルギー輸入依存度のグラフ

エネルギーを考える時には環境への配慮も必要

わたし わたしたちがエネルギーをいつでも安定して使えるのは当たり前みたいになってるけど、それってとても大事なことだよね。
じぃじ そうだね。エネルギーを考える上では、エネルギー資源を安定して手に入れられることや価格の面だけではなく、環境に対する影響も考えないといけないよね。特に今は、地球温暖化問題への取り組みが世界的に求められているから、エネルギーを使いながら、どうやって温暖化の原因となるCO2(二酸化炭素)の排出を抑えるかを考えることが必要だね。

エネルギー問題の将来は「S+3E」がカギ

わたし エネルギーのことは、いろいろな面から見ていかなきゃいけないんだね。
じぃじ そうなんだよ。エネルギーは「S+3E」の視点で考えなきゃいけないと言われているよ。
わたし S+3E?何かの暗号?
じぃじ S(Safety)は安全性。これは大前提だね。それに加えて3つのE、「Energy Security」(エネルギーの安定供給)、「Economic Efficiency」(経済効率性の向上)、「Environment」(環境への適合)を図ることを基本的視点にして考えることが重要なんだ。さらに国際的な視点や経済成長の視点を加えて取り組むことも重要だといわれているよ。
わたし 英語!?じぃじ、何だか今日はかっこいい!!
「安く買えるならいい」とか、「環境にいいからこれだけで」とか、どれかひとつだけの見方で簡単に選んじゃダメってことだね。でも、それってとっても難しいことじゃない?
じぃじ そうだね。エネルギーのことをどうしていくかは、資源の少ない日本にとってとても大切なことだから、海外から輸入する資源は特定の国に偏らないようにするとか、ちゃんと輸入できるように資源が産出される国と仲良くしておくとか、日本で使うエネルギーの種類と量をバランスよく組み合わせるとか、S+3Eの視点で取り組んでいかないといけないね。もちろん省エネルギーを進めることも重要だよ。みんなで真剣に考えて、取り組んでいかなければならないことだね。
Sプラス3Eの視点のイメージ
わたし わたしたちにもできることがあるのかなぁ。
じぃじ 身近なところでは、節電するとか、公共交通機関を利用するとか、省エネルギーへの取り組みはみんなの工夫次第なんだよ。
日本としてどのようにエネルギーを選択して、どのように利用していくか、とっても難しいんだけれども大切な課題だからまずは、みんなが日本の置かれている状況とか、世界の情勢とか正しく認識していかなければいけないね。
わたし  今日からテレビや新聞 も、そういう目で見ていかなきゃ。
じぃじ 学校の勉強も大切だね。これからの日本が今以上に幸せな国になるように、君たち若い世代に、じぃじたちは期待しているよ。
エネルギー問題は、日本のおかれた現状を正しく認識した上で考えることが大事だってことがよく分かったわ。 わたしのイラスト
じぃじのイラスト その他にも環境問題など地球規模の課題があることも知っておく必要があるね。
エネルギーはあらゆる国民生活、産業活動を支える基礎だから、みんなで考えていきたいね。