【冒頭説明】=略
【質疑】
――中部、北陸、関西の3社による送配電部門連携強化について。東京電力ホールディングス(HD)の新々・総合特別事業計画(新々総特)との関係は。
「ネットワークが隣接する事業者間による系統運用の連携は従来も進めてきた。(3社による連携強化は)あらためて立ち上げたものではない。2020年の送配電部門の分社化を見据え、広域的な需給調整などでさらに合理化できないかを検討することが目的だ。東電HDの考え方や提案がもしあるのであれば聞いていく」
――エネルギー基本計画見直しの年に当たる。何に焦点を当てた検討を期待するか。
「現行計画は30年断面のエネルギー構成が示され、原子力発電と原子燃料サイクルが位置付けられているが、資源に乏しい我が国のエネルギー事情を踏まえ、長期的な視点に立って『S+3E』がしっかり実現できるよう、着実に(検討作業に)取り組んでほしい」
――政府は原子力新増設・リプレースは想定していないとの立場。事業者としての見解は。
「30年断面でみれば、既存炉の60年運転が可能ならば、20~22%の原子力比率は何とか達成できるというのが政府の見解だと認識している。事業者の立場からすれば、技術と人材を維持しなければならない。(30年以降の)先々も一定比率の原子力は必要だ」
――中東諸国のカタールとの断交について。燃料調達への影響は。
「中部電力はカタールからのLNG(液化天然ガス)調達は大きなウエートを占める。JERAと中部電力ドーハ事務所を通じて情報収集している。今のところ調達に支障が出る恐れはない。ただ、原子力発電の停止が長期化し、化石燃料依存度や中東依存度が高い中、動向を注視していかなければならない」
――日本原子力研究開発機構の施設で起きた被ばく事故についての見解は。
「原子力に携わる者として残念だ。原子力機構の対応、動向を把握していく。原子力事業は地域との信頼関係が重要。作業安全の確保にしっかりと取り組む」
(電気新聞2017年6月19日付2面)