九州電力は10日、佐賀営業所内に「ローソン九電佐賀ビル店」をオープンした。店舗運営は九州電力グループが担い、店舗に併設するコミュニティースペースと一体的に運用する。9日に福岡市の電気ビル本館で会見した九州電力の瓜生道明社長は「(ローソンと)業種は異なっているが、地域や町に対する両社の思いは全く同じだ」と強調。出店は「九州電力にとって新しいチャレンジになる」と話し、「より身近に感じて頂ける場所にしたい」と期待を込めた。電力会社が主体となってローソン店舗を展開するのは初めてだという。
瓜生社長は、これまで事務作業を行う場だった営業所をローソンやコミュニティースペースと一体的に運用することで、地域に開かれた場にしたいと話した。また、佐賀営業所に出店した理由について、店舗を開設できるスペースがあったことや佐賀駅に近い好立地で集客が見込めることなどを挙げた。
今後の店舗展開については各営業所の状況を踏まえて判断する。
会見に同席したローソンの竹増貞信社長は、異業種と組むことで、より幅広い顧客ニーズに応えることができると説明。九州電力との取り組みを通じて「これからの地域活性化の在り方にチャレンジできる意義は大きい」と強調した。
ローソンは約1万3千店舗を展開しており、全店の売上高は約2兆1千億円に上る。
◆開店祝いセレモニー/異業種連携で地域盛り上げる
九州電力佐賀営業所内に開店したローソン九電佐賀ビル店で10日、オープニングセレモニーが行われた。あいさつした九州電力の渡辺義朗取締役・常務執行役員・エネルギーサービス事業統括本部副統括本部長・営業本部長は「我々は地域と一緒にやっていくんだという思いをこのローソンで体現したい」と意気込みを語った。午前10時に店舗のオープンが宣言されると列をつくっていた人々が入店し、買い物を楽しむ姿が見られた。また、多目的室で開催されたオープニングコンサートなども盛況だった。
来賓としてあいさつした三菱商事の永森久善理事・九州支社長は、同社が九州電力とローソンの橋渡しを行ったことについて触れ、この取り組みを通じて「新しいローソンの形が生まれるのではないか」と提携の意義を強調した。
テープカットは九州電力の渡辺常務と遠藤泰昭執行役員・佐賀支社長、ローソンの宮崎純常務執行役員・コミュニケーション本部長、三菱商事の永森理事、九電ビジネスフロントの上野正社長らが行った。
また、同店の松本光亮店長は「地域の皆さまに愛される店舗をつくりたい」と決意表明を行った。同店では10日から14日まで“マチ明かりフェスタ”を開催。ガーデニング講座や料理教室などを開き、コンビニオープンを盛り上げる。
(電気新聞2017年5月11日付3面)