エネコミ

2017年4月配信

2017年 4月25日
佐賀知事が玄海3、4号機再稼働に同意/4例目の地元手続き完了、風土改革を評価

 佐賀県の山口祥義知事は24日、県庁で会見を開き、九州電力玄海原子力発電所3、4号機の再稼働を容認する判断を示した。山口知事は「原子力発電に頼らない社会を目指すという強い思いを持ちつつ、現状においてはやむを得ない」と判断理由を語った。地元同意手続きはこれをもって完了したことになる。立地自治体と県から再稼働の同意を得た原子力は全国で4例目。今後、原子力規制委員会で工事計画認可や保安規定変更認可を受ける必要があるため、実際に再稼働するのは今秋以降になる見込みだ。
 山口知事は会見で、判断に至るまでの同意プロセスの流れを説明。先行県を参考にしながら全市町長から意見を聴取するなど「丁寧かつ慎重に(プロセスを)進めてきた」と意義を強調した。
 山口知事は、東京電力福島第一原子力発電所事故を踏まえ、県民が原子力に対して「大きな不安や疑問を持つのは当然であり、自然なことだ」と強調。原子力発電所を新設するという判断には同意できないが、「現に玄海は存在している」と話した。
 九州電力の組織風土については、当初は情報がすぐに伝わってこなかったが「(最近は)少しの事故でも表に出す姿勢がうかがえる」として「良くなってきた」と評価。玄海1号機の廃炉作業も踏まえ、こうした姿勢が「未来永劫(えいごう)続いてもらわなければならない」と強調した。
 県内5カ所で開催された県民説明会については「様々な観点から多くの質問や意見が出されるなど、意義あるものだった」と評価した。(2面に関連記事)

(電気新聞2017年4月25日付1面)

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