出力制御実施方法の見直しについて(2022年12月以降の実施方法)
①制度変更の背景
- 当社からの遠隔制御により、需給状況に応じて柔軟に出力調整が可能なオンライン制御は、現地操作により一定時間発電を完全停止させるオフライン(手動)制御に比べて実需給に近い柔軟な運用が可能であり、出力制御量の低減も見込まれます。
- 再生可能エネルギーのさらなる導入拡大に向けては、事業者間の公平性を確保しつつ、出力制御のオンライン化を通じた出力制御量の低減を図ることが重要です。
- そこで当面の間は出力制御の対象外と整理されてきた旧ルール500kW未満の太陽光発電設備についても、出力制御の対象(「30日等無補償ルール」等を適用)とすること、出力制御量低減や運用効率化の観点から、オンライン代理制御の仕組みを導入することが国の審議会で決定されました。
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②オンライン代理制御の導入
- 出力制御には、現地で手動制御する「オフライン発電所」と当社が遠隔で自動制御を行う「オンライン制御」の2種類があります。
- 「オンライン代理制御」は、実需給に応じた柔軟な運用が可能なオンライン発電所で、オフライン発電所が実施すべき出力制御を代理で実施し、後で金銭的精算を行う仕組みです。
オンライン代理制御のイメージ
オンライン代理制御導入後の出力制御の対象範囲
- オンライン代理制御の導入により、これまで当面の間は出力制御の対象外としてきた旧ルール10kW以上500kW未満の太陽光発電所が、新たに出力制御の対象となります。
- 九州本土のFIT太陽光発電所において、オフライン発電所のオンライン化が着実に進展してきており、オンライン発電所のみで必要な制御量を賄えることから、基本的にはオンライン発電所の出力制御のみを実施します。
- ただし、ゴールデンウィークや年末年始などの軽負荷期で且つ太陽光発電量が多い時期において、オンライン発電所だけでは制御量が不足する場合、旧ルール500kW以上オフライン発電所を現地操作等で制御する実制御(本来実施)を実施することがあります。
※1:オンライン制御のみでは、制御量が不足する場合に限り、実制御(本来制御)を実施
※2:10kW以上の制御をおこなった上で、それでもなお必要な場合において、10kW未満の発電所についても出力制御を行うものとする
用語の説明
実制御:当社からの出力制御指示により実際に出力制御を行うこと
本来制御:当該事業者が本来行うべき出力制御部分のこと
代理制御:オンライン事業者が、オフライン事業者の代わりに出力制御を行うこと
被代理制御:オフライン事業者が、オンライン事業者に代わりに出力制御してもらうこと
③オンライン代理制御導入後の出力制御の実施方法(発電所区分別)
(1)旧ルール10kW以上500kW未満のオフライン発電所
出力制御対象範囲の拡大
- 旧ルール10kW以上500kW未満の発電所は、当面の間は出力制御の対象外とされてきましたが、出力制御における事業者間の公平性等の観点から、2022年12月以降、新たに出力制御の対象発電所となりました。
出力制御の実施方法
- 出力制御は、遠隔制御が可能なオンライン発電所が代理で実施しますので、実際の発電所の停止は無く、具体的な対応(発電停止操作等)もありません。
- このため、実際の発電量が減少することはありませんが、オンライン発電所が代理で実施した分の精算として、「本来出力制御されるはずであった時間帯の発電量(代理制御調整電力量)にFIT買取単価を乗じた金額」を2か月後の発電料金から控除します。(実際の発電量よりも発電料金は減少)
(注)出力制御日数は、「他のオンライン発電所が代理で制御した日数」となります。また、出力制御の日々の実施状況は、弊社ホームページに都度掲載していますので、ご確認ください。
- 代理制御調整電力量・精算額は、翌々月の精算時に売電先の電力会社からお知らせします。
旧ルール10kW以上500kW未満のオフライン発電所の出力制御のイメージ
旧ルール10kW以上500kW未満のオフライン発電所の精算イメージ
(2)旧ルール500kW以上のオフライン発電所
出力制御の実施方法
- 旧ルール500kW以上のオフライン発電所は、これまで電話・メールによる前日指令に基づく出力制御(現地操作等)に対応いただいておりましたが、2022年12月以降、出力制御は遠隔制御が可能なオンライン発電所が代理で実施しますので、実際の発電所の停止は無く、具体的な対応(発電停止操作等)も不要となりました。
(注)ゴールデンウィークや年末年始などの軽負荷期において、オンライン発電所だけでは制御量が不足する場合には、これまで通り電話・メールによる前日指令に基づく出力制御(現地操作等による自発電所の発電停止)をお願いする場合がありますので、ご了承ください。
- 代理制御が行われた場合は、発電停止に伴う発電量の減少はありませんが、オンライン発電所が代理で実施した分の精算として、「本来出力制御されるはずであった時間帯の発電量(代理制御調整電力量)にFIT買取単価を乗じた金額」を2か月後の発電料金から控除します。(実際の発電量よりも発電料金は減少)
(注)出力制御日数は、「オンライン発電所が代理制御した日数」と「実際に発電停止した日数」の合算となります。また、出力制御の日々の実施状況は、弊社ホームページに都度掲載していますので、ご確認ください。
- 代理制御調整電力量・精算額は、翌々月の精算時に売電先の電力会社からお知らせします。
旧ルール500kW以上のオフライン発電所の出力制御のイメージ
旧ルール500kW以上のオフライン発電所の精算イメージ
(3)オンライン発電所(旧ルール・無制限無補償ルール)
出力制御の実施方法
- オンライン発電所については、2022年12月以降、自発電所に割り当てられた出力制御と、オフライン発電所に割り当てられた出力制御の代理分を実施いただくことになりました。
- ただし、オフライン発電所に割り当てられた出力制御の代理分は、「代理制御の時間帯に発電していたとみなされる電力量(代理制御調整電力量)にFIT買取単価を乗じた金額」を2か月後の発電料金に補填します。(代理制御により発電量は減少するものの発電収益は同等)
(注)出力制御日数は、全出力制御日数から代理制御分の日数を差引いた日数となります。また、出力制御の日々の実施状況は、弊社ホームページに都度掲載しますので、ご確認ください。
- 代理制御調整電力量・精算額は、翌々月の精算時に売電先の電力会社からお知らせします。
オンライン発電所(旧ルール・無制限無補償ルール)の出力制御のイメージ
オンライン発電所(旧ルール・無制限無補償ルール)の精算イメージ
【関連情報】
- 発電所の出力制御オンライン化の推奨について(264KB)
④出力制御実施~精算までの流れ
- 前日の出力制御検討から、当日の出力制御実施までの流れはこれまでと同様です。
- 出力制御実施後(実績が確定する出力制御実施日の翌日以降)に、オンライン事業者及びオフライン事業者の出力制御実績(本来・代理・被代理制御回数)を確定します。
- 月単位で制御実績を集約し、代理制御に基づく電力量・料金(補填または控除する精算額)を算定します。その上で、N月検針分の発電料金にN‐2月検針分の代理制御分を反映します。(2か月後精算)
- 精算は、売電先の電力会社が実施し、代理制御の情報(電力量、精算額)については翌々月の精算時にお知らせします。
(注)オンライン代理制御の精算では、旧ルール事業者の制御回数カウントが進んだ場合は、九州エリア内の代理制御対象となる「オンライン事業者」と「オフライン事業者」の全てが精算の対象になります。(FAQ参照)