出力制御の必要性について
①電気の特性
需要と供給のバランス
- 電力の安定供給のためには、需要(電力消費量)と供給(発電量)のバランスを保つことが重要となります。
- 需要は時間帯や気温などにより大きく変動しますが、太陽光や風力発電等の再生可能エネルギーからの発電量も、特性上、天候によって大きく変動します。
- このような中、需要や再生可能エネルギーからの発電量の変動は、きめ細かい運転ができる発電所(LNG火力など)の出力調整で吸収し、需要と供給をバランスさせています。
- もし、この調整が上手くいかなければ、需要と供給のバランスが崩れ、周波数が大きく変動し、社会生活に大きな影響を与えてしまいます。 (最悪の場合、運転している多くの発電機が設備損壊を回避するために自動停止し、その結果、大規模な停電(ブラックアウト)に至ります)
- このため、当社では日々、需要や再生可能エネルギーからの発電量を予測し、供給をコントロール(出力制御)することで安定供給を継続しています。
需給運用
- 水力発電、火力発電、太陽光発電、風力発電、原子力発電は、発電のしくみや発電に使用するエネルギー源の違いから、それぞれ特徴を持っています。
- 弊社では、資源の有効活用とコスト低減の観点から、これらの発電を組み合わせ、最も経済的となるよう需給運用をおこなっています。
原子力発電所・地熱発電所 | 原子力発電所や、地熱発電所は、ベースロード電源として24時間フル出力で運転します。 |
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火力発電所 | LNG、重原油、石炭などを燃料とする火力発電所は、電力需要の変動に合わせて出力を変化させ、かつ、経済性を考慮し、燃料費が最小となるよう運転します。 |
水力発電所 | 貯水池式の水力発電は、季節、降雨状況などによる河川の流量の変化や利用条件等を考慮し、地域との協調を図りながら、経済的な貯水池運用計画を立てて運用します。 揚水式の水力発電は、昼間は太陽光や風力で発電した電気を利用して揚水運転を行い(水を貯め)、その水を利用して夕方から夜にかけて発電することで再エネを有効活用しています。 |
太陽光、風力発電所 | 天候状況によって出力が変動するため、火力発電や揚水式水力発電で調整しながら運用します。 |
②再生可能エネルギーの導入状況
九州本土の太陽光発電の導入状況
- 九州は日照条件が良い等の理由から再生可能エネルギーの適地が多く、中でも太陽光発電の導入が他エリアに比べて進んでいます。
- 現在、九州エリアの太陽光発電の導入量は、1000万kWを超える規模となり、春や秋の休日やゴールデンウィークなどの需要の少ない日の昼間では、太陽光からの発電量が需要を上回るようなケースも出てきています。
- 電力の安定供給を継続しながら、再生可能エネルギーからの発電量を増やしていくためには、出力制御が必要不可欠となっています。
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