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電気の品質を低下させる『高調波』について

電気の品質を低下させるおそれがあるものとして、「高調波」や「電圧フリッカ」などがあります。
ここでは「高調波」について、ご説明いたします。((注)電線を流れる電気の事象であり、空間を伝わる「電磁波」とは異なるものです)

高調波とはどんな事象?

高調波とは、交流の電気に含まれる基本波(60Hz)に対して、その整数倍の周波数を持った電圧・電流のことです。
発電所で作られた電気は基本波のきれいな電気ですが、高調波が加わることで波形がひずみ、電気の品質を低下させることがあります。

基本波(60Hz)+高調波=合成波

高調波の発生源とその影響について

高調波は、家電機器やOA機器、産業用機器等の半導体応用機器(※)から発生します。
機器から発生した高調波は、電力系統を流れる交流のきれいな電気を歪ませ、電力系統を伝わって他のお客さまの設備や、お客さまご自身の設備にも悪影響(高調波障害)を及ぼす可能性があります。

  • 高調波障害の主な事例
    • 洗濯機や電子レンジ、IH機器などの家電不動作
    • テレビ、ラジオの映像、音声のちらつき  等

高調波障害発生時のイメージ

高調波抑制対策について

経済産業省 資源エネルギー庁にて制定された「高圧又は特別高圧で受電する需要家の高調波抑制対策ガイドライン(以下、ガイドライン)」において、電力系統内を流れる高調波については、高調波環境目標レベル(総合電圧ひずみ率が配電系統で5%、特高系統で3%)を維持するよう示されています。
また、高調波障害は、特定の発生源からだけでなく、不特定多数の機器から高調波電流が電力系統に流出された結果として発生するケースもあり、近接して電力系統に接続されている多数の機器が同時に稼働するなどの状況でより発生しやすくなります。

  • (i)高圧以上の電気をお使いのお客さま
    • 高調波発生機器をお客さまが新設・増設または更新する等の場合は、ガイドラインに基づいて、高調波流出電流計算書のご提出をお願いしております。また、受電設備より流出する高調波電流値がガイドラインの上限値を超える場合は、お客さまに高調波電流流出防止対策をお願いしております。
  • (ii)低圧の電気をお使いのお客さま
    • 電気供給に関するお申込み時にご利用になる電気機器の中で著しく高調波を発生する機器が事前に確認された場合や、高調波障害が発生した際にお使いの機器が原因として特定された場合は、高調波抑制対策について個別に協議させていただく場合があります。
  • 主な高調波抑制対策
    • 直列リアクトル付進相コンデンサの設置
    • 高調波を抑制するフィルタ(注)の設置((注)LCフィルタ、アクティブフィルタ)
    • 変圧器の組合せによる多パルス化 他

九州電力送配電からのお知らせ

高調波障害かなと思ったら

家電製品自体の不良、故障も考えられるため、まずはメーカー、電気工事店等にご相談ください。
(高圧以上の電気をお使いのお客さまについては、電気主任技術者へご相談ください)

(注)その他ご不明な点などございましたら、当社までご連絡ください。