電気の生産と消費をバランスさせるために
中央給電指令所の役割
中央給電指令所は、給電運用業務を行う中枢機関として、需給運用業務、系統運用業務など、さまざまな業務をおこなっています。
生産と消費のバランス
電気は一般の商品と違い、どこかにストックしておくことができないので、お客さまが消費される電気の量と生産する電気の量とを常にバランスさせることが必要です。
需給運用
水力発電、火力発電、太陽光発電、風力発電、原子力発電は、発電のしくみや発電に使用するエネルギー源の違いから、それぞれ特徴を持っています。
資源の有効活用とコスト低減の観点から、これらの発電を組み合わせ、最も経済的となるよう需給運用をおこなっています。
原子力発電所・地熱発電所
燃料費の安い原子力発電所や自然エネルギーを利用した地熱発電所は、24時間フル出力で運転します。
火力発電所
LNG、重原油、石炭などを燃料とする火力発電所は、電力需要の変動に合わせて出力を変化させ、かつ、燃料費が最小となるように負荷の配分をおこなって運転します。
貯水池式水力発電所
季節、降雨状況などによる河川の流量の変化や利用条件等を考慮し、地域との協調を図りながら、経済的な貯水池運用計画を立てて運用します。
太陽光、風力発電所
天候状況によって出力が変動するため、火力発電や揚水式水力発電で調整しながら運用します。
電気をお客さまへお届けするための運用体制
需給運用 Supply and demand operation
電力需要のバランスを保ちながら、最も経済的になるよう各発電機の発電電力を調整します。
系統運用 Power system operation
電気を発電所からお客さまへ安定的にお届けするために、最も適切な系統を構成のうえ、常に電力系統状況を監視し適正な電力潮流・電圧を維持します。
広域運営 Wide-area operation
北海道から九州までの電力系統はすべて連結され、電力供給力が不足する場合には電力広域的運営推進機関の指示に基づき応援融通を行うなど、一般送配電事業者の供給区域を越えて、電気事業の広域運営をおこなっています。
給電運用システム
系統信顧度監視や経済負荷配分制御など、運用者の迅速な判断を支援する最新の運用技術を導入。最新のコンピュータ技術や情報伝送技術を駆使し、電力の安定供給をおこなっています。
1.系統監視盤
発電所、変電所、送電線の運転・停止の状態をグラフィカルに表示するとともに、故障発生時には警報と状態表示の点滅で運転員に知らせます。
2.需給盤
需給盤は、時々刻々と変化する電気の消費量をリアルタイムで表示するとともに、火力・原子力・水力発電所の制御状態や出力値を表示します。また、周波数や周波数を調整するための必要制御量の推移、50万ボルト関門連系線の計画値や現在値などを表示しています。
3.情報表示盤
需給運用や系統運用に必要な総需要曲線や気象情報をはじめ、落雷、地震、TV報道、監視用ITVなどの各種情報をマルチ表示します。
4.発電機制御装置
発電機の制御モードや出力を指令するためのタッチパネル式の装置や関係箇所とのワンタッチ電話などを備えています。
5.監視モニター
需給状況、貯水池運用状況、潮流・電圧状況など、需給運用や系統運用に必要な各種情報をグラフィカルに表示します。