事業概要

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玄海原子力発電所4号機定期検査中における主蒸気隔離弁ベント弁の不具合について

発生日

2025年9月28日

発電所

九州電力 玄海原子力発電所 4号機(加圧水型軽水炉、定格電気出力118万kW)

内容

事象

定期検査中の玄海4号機において、9月28日、主蒸気系統の検査に使用する弁(主蒸気隔離弁ベント弁)の1つにシート漏れ(弁を閉止した状態でも流体を止めることができない現象)を確認しました。本事象による環境への影響はありません。
主蒸気隔離弁ベント弁については、6月3日に定期検査中の玄海3号機において発生したシート漏れ事象を踏まえ、今回の定期検査中に当該弁の部品の一部を新品に取り替えたことに加えて、開弁状態で弁体と弁座の間に水を流し、異物を除去することで、異物の噛み込みによるシート漏れのリスクを低減させる対策を講じていました。

原因

当該弁については、分解して細部まで確認したところ、弁体に極微小な異物痕が確認されました。主蒸気系統が高温高圧の状態(注1)で当該弁を開弁した際に、配管等に付着しているスケール(注2)が剥がれて弁の内部に流入した後、当該弁を閉弁した際に、弁体と弁座の間に異物として噛み込むことでシート漏れが発生したものと推定しました。

(注1)定期検査工程のうち、原子力発電所起動に向けて、設備の機能を確認するための検査を行うために1次冷却材系統の温度、圧力を通常運転時と同じ高温高圧の状態としたもの。

(注2)配管等構成材料から溶出した鉄(イオン)が配管等の内面に付着したもの。

対策

当該弁については弁体等の部品を予備品に取り替えるとともに、主蒸気隔離弁ベント弁のシート漏れ対策として、以下の対策を行うこととしました。

  • 異物低減のため、水質管理を強化する。
  • 主蒸気系統が高温高圧の状態で、主蒸気隔離弁ベント弁の開閉操作を実施しない。
  • 主蒸気系統の検査に使用する弁の場所を変更し、次回定期検査時に新たに追加で弁を設置する。

参考リンク