玄海原子力発電所における負傷者の発生について
発生日
2025年10月10日
発電所
九州電力 玄海原子力発電所
内容
事象
玄海原子力発電所構内の八田ダム付近の作業場(屋外)において10月10日8時45分頃、請負会社作業員(被災者)1名が体調不良となったため、8時58分に救急車を要請しました。被災者については、放射性物質による汚染はありません。
被災者がしゃがんで資機材の片付け作業を実施していたところ、別の作業員が手に持って運搬していた収納ボックス(約10kg)が、ヘルメットを着用した被災者の頭部に接触して転倒した後、歩行が困難になったものです。
なお、被災者については、被災後も意識はあり、外傷はなく、その後、体調は回復し、健康状態に異常はありません。本事象による、発電所の施設及び玄海原子力発電所3、4号機の運転に影響はありません。
原因
本事象について調査した結果、原因は以下の通りです。
- 被災者は十分な作業エリアを確保しておらず、分析ハウスと現場事務所間の通路上にはみ出して、ホース取外し作業を行った。
- 運搬者は運搬作業を行う際に、障害物の排除や通路幅の確保など、動線上の安全確認が不十分であった。
- 運搬者からホース取外し作業を行っている被災者に対して、近くを通過する旨の注意喚起の声掛け等が無かった。
- 運搬作業時、運搬者は被災者とは接触しない(かわせる)と見誤った。
- 元請の作業責任者は、別作業の準備作業を注視しており、作業全体を俯瞰した現場管理が出来ていなかった。
対策
原因を踏まえ、以下の対策を実施することとしました。
- 以下の対策を作業要領書に反映し、関係者で読み合わせ、認識の共有を図る。
- 十分な作業エリアを確保し、通路で作業しない。また、配置図に作業エリアを表示し、作業関係者が分かるよう現場に掲示する。
- 運搬時は、接触しないよう周囲の状況を確認し、人の近くを通る際は人払い・声掛けして注意を促す。
- 運搬作業前に、指差呼称(「障害物無し」や「通行ヨシ」)を行い、動線の安全確認を確実に行う。
- 元請の作業責任者は、作業全体を俯瞰して、不安全な作業が行われていないか確認する意識をもつことを再徹底する。





