プルサーマルの実績が一番多いフランスでも90万kW級の発電所でしか実施されていない中で、大型商業炉でのMOX燃料の使用実績がないまま、玄海3号機(118万kW)でプルサーマルを導入するのは、危険ではないですか?
プルサーマルの実績が一番多いフランスでも90万kW級の発電所でしか実施されていない中で、大型商業炉でのMOX燃料の使用実績がないまま、玄海3号機(118万kW)でプルサーマルを導入するのは、危険ではないですか?
解説
フランスでプルサーマルの許可が出された1984年当時、同国内には100万kWを超える原子力発電所はなく、結果としてプルサーマルを実施する発電所は全て90万kW級となりました。
しかし、世界ではドイツのイザール2号(出力145.5万kW)をはじめ、玄海3号機と同等以上の発電規模の発電所でプルサーマルを実施している例はいくつもあります。
出力100万kW以上の海外のMOX燃料使用発電所
(2003年12月末現在)
国 | 発電所 | 出力(万kW) |
MOX燃料 装荷開始年 |
---|---|---|---|
ベルギー | ドール3 | 105.8 | 1995 |
ドイツ | イザール2 | 145.5 | 1998 |
ブロックドルフ | 144.0 | 1989 | |
グローンデ | 143.0 | 1988 | |
フィリップスブルク2 | 142.4 | 1988 | |
ネッカー2 | 136.5 | 1998 | |
ウンターベーザー | 135.0 | 1984 | |
グンドレミンゲンB | 134.4 | 1996 | |
スイス | ゲスゲン | 102.0 | 1997 |
(注)いずれも最高燃焼度(実績)が45,000MWd/t以上のプラント
<出典>平成15年度核燃料サイクル関連技術調査報告書(財団法人エネルギー総合工学研究所)より抜粋