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原子力規制検査結果について「玄海原子力発電所3号機 火報発信時における管理区域(高線量区域)への入域に対する被ばく低減対策の検討の不備」

発生日

2025年2月19日

発電所

九州電力 玄海原子力発電所 3号機(加圧水型軽水炉、定格電気出力118万kW)

内容

事象

 2025年2月19日の原子力規制委員会において、令和6年度第3四半期の原子力規制検査結果が報告され、次のことについて、安全重要度「緑」、深刻度の評価「SLⅣ(通知なし)」(注1)と判断されました。

概要

 2024年7月31日、通常運転中の玄海原子力発電所3号機において、中央制御室にて「火災報知盤故障」の警報が発信したため、運転員2名は発信元の原子炉格納容器内を迅速に確認するため、ガラスバッジと中央制御室に配備しているアラーム機能のない線量計(以下「PD」という)を着用し、現場に急行しました。(火災等はなく、警報の復旧対応を行いました)

 現場確認後、運転員2名が放射線管理区域から退域する際にPDを確認したところ、当社が自主的に設定している1日の計画線量(0.2mSv/日)よりも高い値(運転員A:0.36mSv、運転員B:0.37mSv)でした。後日、正式な被ばく評価に用いるガラスバッジにて、至近1ヵ月の被ばく線量を確認した結果、2名とも1日の計画線量を下回る値(0.1mSv/月)であることを確認しました。

 火災警報発信時の現場確認は、迅速な対応が求められることから、管理区域入域時は、中央制御室等に配備しているPDを着用し、現場確認を行うよう社内運用を定めていましたが、「PDと比較し、アラーム機能があることで被ばく低減上有効なアラーム機能付き線量計(以下「APD」という)を通常使用しているにも拘わらず、火災警報発信時に高線量区域入域時にPDを着用する運用にしたことは、被ばく低減に対する検討が不十分であった。」との指摘を受けました。

 本事象を踏まえ、火災警報が発信し、管理区域内を確認する際は、原則APDを着用する運用へ見直しました。

(注1) 安全重要度「緑」とは、検査指摘事項が、安全確保の機能又は性能への影響があるが限定的かつ極めて小さなものであり、事業者の改善措置活動により改善が見込める水準であるという評価結果をいう。
 SL(Severity Level)は、検査指摘事項に対して、原子力規制庁が必要に応じて講じる規制対応措置(原子炉等規制法に基づく措置命令、行政指導など)を決定するために、原子力安全に係る重要度評価とは別に評価される深刻度レベルであり、SLⅣ(通知なし)は最も深刻度が低く、原子力規制庁による規制対応措置が不要なもの。

以上