企業情報

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1.高速・大容量ネットワーク構築

九州電力は、大規模・複雑化する電力系統を安定的にかつ効率的に運用するために、専用の電子通信システムを自社で構築・保有し、九州全域に通信ネットワークを構築している。
この通信ネットワークは、本店・支店(支社)・発電所などをマイクロ波多重無線とOPGW(光ファイバ内蔵架空地線)によって接続した主幹系通信ネットワーク、支店(支社)・配電用変電所・ダムなどを配電線添架の光ファイバケーブル主体で接続したローカル系通信ネットワークで構成しており、それぞれ情報伝送ニーズの増大に併せて、高速・大容量化を進めている。
また、離島向けの回線や重要拠点のバックアップ回線としては、広域性や耐災害性などの面で有効な衛星通信システムを整備している。

マイクロ波多重無線の整備

マイクロ波多重無線は風水害などに対して強く、高信頼度の通信回線を構築できる装置である。
九州電力の主幹系ネットワークを構成するマイクロ波多重無線については、2006年度より、電力関連通信システムのIP化ニーズおよび将来の情報量の増加に対応するため、デジタルマイクロ波多重無線網の大容量化を実施しており、2021年3月末時点で全217区間中、212区間の大容量化が完了した。
なお、2021年度までに全区間の大容量化が完了する予定である。

光ファイバ通信の整備

光ファイバ通信は、超高速・大容量の通信ネットワークであり、九州電力では、光ファイバ通信システムを全国に先駆けて1977年から導入し、主幹系・ローカル系ともに整備・拡充を図ってきた。
この10年では、20142018年度にかけて、設備の老朽更新に合わせて主幹系光ファイバ通信システムの大容量化を図るとともに、光ファイバ心線あたりの伝送容量を大幅に向上させる光波長多重伝送装置(WDM)の導入も進めている。
また、光ファイバケーブルについては、社内及び社外の光ファイバ心線ニーズに合わせて拡充を進めてきた。2000月からは、社外の光ファイバ心線ニーズに対応するため光心線貸し事業に取り組んできたが、経営資源の集中化によるグループ全体としての効率的な事業運営を目的として、2015月に株式会社QTnet(当時 九州通信ネットワーク株式会社)へ関連する光ファイバ設備と共に当該事業を移管した。
現在は、社内の新規ニーズに合わせて整備を進めており、2020月時点の設備量は、OPGW3400km、光ファイバケーブル1万kmとなっている。

衛星通信システムの整備

衛星通信システムは、サービスエリアが広範囲で、ひとつの情報を複数の相手に同時に送信する同報性に優れ、災害に強いという特長をもっており、九州電力では1994年から導入してきた。東京支社や離島などの遠隔地との通信や社内テレビ放送、非常災害時の通信などに利用している。
同システムも社内のIP化ニーズに対応するため、2008年6月に電力会社間で仕様統一された新システムに切り替え、可搬型装置においては、2011年3月に発生した東日本大震災で、東北電力に貸し出すなど、現地の災害復旧にも貢献した。
また、2012年度には、原子力発電所の更なる安全性・信頼性の向上に向けて、川内原子力発電所及び玄海原子力発電所に導入した。