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2.主な取組み(~2010年)

安定供給およびコスト低減

火力発電設備のクリープ余寿命診断技術に関する研究

火力発電設備は、1960~1970年代に建設された高経年ユニットや、最新鋭ユニットなど、さまざまなユニットが効率的に運用されている。火力発電設備は、高温高圧の蒸気を利用するため、当該部分の配管や機器は、長時間使用するとクリープ劣化(高温で強度が弱くなる)が問題となる。このため、高経年ユニットにおいては適切な保守のための余寿命診断技術が必要である。また、最新鋭ユニットでは、高効率化による発電コスト低減およびCO2排出量低減のため、さらなる高温高圧の蒸気条件が採用されている。これに対応する最新耐熱材料に対する評価技術の開発も、今後、重要となる。
高温材料のクリープ余寿命診断をクリープ加速試験で行う場合、その試験片は実機から相当量の部材を切り出す必要があり、切り取った部分の修繕コストが発生する。そのため、精度は若干低下するが、金属組織解析や硬さ測定などの非破壊的評価手法が一般的に適用されている。九州電力では、金属組織解析や硬さ測定に関し、独自の手法を開発し、グループ会社へ技術供与するとともに、社内外で実機適用を可能にした。
さらに九州電力は、準破壊的にスモールパンチクリープ試験で行う余寿命診断技術を構築してきた。これは、採取する試験片を直径8ミリメートル、厚さ0.5ミリメートルと微小にすることで、機器材料の寿命評価を簡易にする手法であり、破壊的評価手法と同程度の精度がある。
スモールパンチクリープ試験評価技術の構築にあわせて、2005年度には微小試験片を採取するための小型軽量の放電サンプリング装置を開発、2009年度には低価格の小型スモールパンチクリープ試験装置を開発した。
開発装置は、その独創性や将来性、開発効果などが評価され、放電サンプリング装置はオーム技術賞などの社外表彰を2009年度までに7件、小型スモールパンチクリープ試験装置は2010年度に日本機械学会九州支部賞を受賞した。

以上のような評価技術や試験ノウハウを活用し、ボイラー設備を中心として、蒸気タービン設備、ガスタービン高温設備などの最先端耐熱材料を含む余寿命診断技術の開発研究と実機への適用を、今後も実施していくこととした。

高度防食技術(プラズワイヤー工法)の開発および新会社の設立

電力設備は、発電設備、送電設備、配電設備などさまざまな鋼構造物で構成されており、これらの設備は海岸部に設置されているものも多く、厳しい腐食環境にさらされている。一方、社会資本に目を向けると、橋梁や道路高架など大型鋼構造物が多数存在する。今後、高度経済成長期に多数建設された設備の高経年化が進行し、その効果的な対策が求められている。また、更新費用の増大に対し、維持管理によって可能なかぎり延命化する考え方が主流になり、防錆技術の重要性が高まっていた。
このような背景から、九州電力は火力発電所のセラミック補修技術で培ったプラズマ溶射技術と防錆効果の高いアルミニウム・マグネシウム合金に着目し、溶線式プラズマ溶射工法である、「プラズワイヤー工法」を2004年1月に開発した。
この工法は、電極とワイヤー間の直流アークでガスをプラズマ化し、そのプラズマによりワイヤーを溶融・製膜するものである。複合サイクル試験(加速腐食試験)の結果、本工法は溶融亜鉛メッキの20倍以上の耐久性があることを確認した。
同年4月、九州電力はグループ会社の西日本プラント工業に技術を移転し、同社は九州内の発電所や高速道路などをターゲットに事業を開始した。2008年3月、同社はさらに積極的に事業展開を図るため、溶射事業に特化した新会社「プラズワイヤー」を設立した。2010年12月末までの施工実績は159件、約7万2000平方メートルである。
代表的な施工事例としては、火力発電所設備、送電鉄塔、風力タワー、橋梁、高速道路鋼桁・脚などがある。特に、橋梁、高速道路鋼桁・脚の採用では、ライフサイクルコスト低減の観点から、国、公的機関、高速道路会社などからも注目された。

アーチダムの安定性評価に関する研究

宮崎県の上椎葉(1955年竣工)および一ツ瀬(1963年竣工)アーチダムは建設から約50年を経過したが、近年各地における大規模地震の頻発により、土木構造物の耐震安定性に対する社会的関心は高まっており、大量に貯水する大型ダムの耐震性能照査についても社会的要望が高い。このため、これらのダムを運用していくためには、現在の常時健全性と大規模地震に対する耐震性能照査が必要である。しかし、アーチダムは構造的な要因により常時・地震時の健全性を検証するための解析や評価法の難易度が高く、また、評価体系も確立されていなかった。そこでアーチダムの安定性評価に関する研究を行い、評価方法の確立もふまえ、現在における上椎葉・一ツ瀬アーチダムの常時健全性および耐震性能照査を2006年4月から2010年3月に実施した。
常時健全性の評価法としては、これまでの堤体変位観測データの統計的分析により堤体挙動の定常性を確認するとともに、これらの挙動を忠実に再現した静的解析モデルを構築し、この応力解析結果から、堤体内部および基礎岩盤の健全性を評価した。
耐震性能の照査法としては、上記の解析モデルをもとに、本研究で実施した常時微動(人間には感じない微小振動)計測結果から得られた振動特性を忠実に再現する動的解析モデルを構築し、耐震性のシミュレーションについては、堤体内部応力状態が一番厳しい冬季の応力状態を再現したうえで実施した。なお、入力地震動については、国土交通省の指針(案)に準じ、各々のダム地点で考えられる最大級の強さを持つ地震動を用いた。
その結果、上椎葉・一ツ瀬アーチダムの詳細な耐荷機構を明らかにするとともに、現在の常時健全性および大規模地震に対する耐震性能は十分に有していることを確認した。
また、この研究で実施した常時微動の連続計測データから、ダム水位の変化にともなうアーチダムの振動特性の変化を明らかにしたうえ、既往の国内外の研究では未報告であった外気温の変化にともなう振動特性の変化も明らかにした。これらの成果は、アーチダムの耐震性能評価においては、ダム水位と季節を考慮する重要性を示しており、今後の耐震性能評価や維持管理技術の高度化に寄与するものであり、この功績について電力土木技術協会により、2010年5月、高橋賞(注)が授与された。

(注)高橋賞:発電水力に関する技術およびその他の電力施設に関する土木技術の開発研究・発明考案などの電力土木誌および講習会に発表した会員の論文のうち、技術の進捗向上に特に寄与したものと認められるものについて表彰するもの。電力土木技術協会故高橋橘三郎名誉会長の功績を記念して1974年に制定された表彰制度。

環境保全

離島マイクログリッドシステム実証試験

実証試験の目的

九州電力は管内に多くの離島を抱え、重油を燃料としたディーゼル発電を主電源として電力を供給しているが、近年の燃料費高騰により、離島経費の一層の削減が求められるようになった。一方、地球環境問題やエネルギー資源制約の観点から、太陽光発電など再生可能エネルギー電源の導入拡大が社会的にも要請されるようになった。
このような状況をふまえ、離島の電力系統に太陽光発電などの再生可能エネルギー電源および蓄電池を設置し、電力品質を維持するとともに、CO2削減や燃料使用量削減および再生可能エネルギー導入拡大を目指した離島マイクログリッドシステム実証試験を2009~2012年度で実施することとした。
実証試験は、小規模な導入設備で既存系統への影響が検証可能な小離島(内燃力発電設備容量0.5MW程度以下)である鹿児島県の黒島など、6島で行うこととした。
なお、この研究は、経済産業省の「2009年度離島独立型系統新エネルギー導入実証事業費補助金」を受けて行うこととなった。

実証試験設備の概要

黒島については、太陽光発電設備容量は、既設ディーゼル発電を出力50%以上で運用した場合の需給バランスを検討し、昼間の太陽光発電の余剰電力を蓄電して夜間に放電しても余ることなく活用できる容量として60kWとした。風力発電設備容量は、出力変動により周波数に与える影響が評価できる容量として10kWとした。また、蓄電池は、太陽光発電電力を蓄電するのに十分な容量とし、リチウムイオン電池(九州電力と三菱重工業との共同開発)および鉛蓄電池を導入した。
黒島以外の5島については、太陽光発電設備容量は、各島の系統規模(最大需要電力)に対する太陽光発電導入比率が変化した場合のデータを取得することから、7.515kWとした。蓄電池は太陽光発電の発電電力を蓄電できる容量とし、竹島にリチウムイオン電池、その他4島に鉛蓄電池を導入した。
太陽光発電などの再生可能エネルギー電源の瞬時の出力変動が発生した場合は離島全体の電力供給に影響するため、出力変動抑制機能および瞬時変動補償機能などを設け、信頼性の高い制御システムを構築した。
実証試験設備は鹿児島県の遠方の小離島に設置されることから、トラブル発生時の復旧作業などの現地での早急な対応が難しく、このため常に監視可能な遠隔監視システムを構築した。また、勤務時間外にも、発電実績などの定期情報および故障などの緊急情報を携帯電話にメール配信することでシステムの状態確認ができるようにした。

実証試験設備の構築

設備の構築では、2009年9月から土木工事、機器製作に着手した。機器製作後の工場試験では、実系統を模擬した電力系統で試験を行い、システムの基本性能を確認した。
現地工事は、定期船のドック入りによる減便および悪天候による欠航などのため、幾度となく工程変更を余儀なくされ、工期の遅れが懸念されたが、地元自治体、発注先ほか関係者の尽力により、当初計画どおり6島へのシステム設置および竣工試験を2010年3月下旬に完了した。竣工試験では、実系統でのシステムの基本性能を確認し、良好な結果を得ることができた。

実証試験の概要

実証試験では、系統規模が異なる6つの離島において、太陽光発電を大量導入した場合に系統へ与える影響を把握するとともに、周波数安定化など系統安定化技術を検証することとした。具体的には、太陽光発電の出力変動補償、太陽光発電の出力平準化、太陽光発電出力の時間帯シフトによる内燃力発電の高効率化についての制御機能について検証することとした。
2011年4月までの実証試験において、これらの制御機能について、実系統の安定供給を考慮し太陽光発電出力を一部制限したうえで、所期の動作を確認することができた。

電力系統制御用超電導電力貯蔵システム(SMES)の実証試験

九州電力では、新たな電力系統制御、運用の高度化および電力輸送コストの低減などに貢献できる技術として超電導技術の開発に取り組んだ。そのなかで、超電導電力貯蔵システム(Superconducting Magnetic Energy Storage:SMES)は、高効率に電力を貯蔵することができ、高速かつ高度な制御が可能なため電力系統制御用として有望な機器である。そのため、九州電力は1994年度から独自に開発した1MW/1kWhモジュール型SMESをはじめ、国家プロジェクトに参画し、超電導コイルなどの要素技術開発をおこなってきた。
2004年度から、SMESシステム技術の開発と実系統連系試験による制御システム技術の開発・検証および低コスト化を目的に、九州電力、中部電力および国際超電導産業技術研究センターと共同で「超電導電力ネットワーク制御技術開発」プロジェクトに4年間取り組んだ。具体的には、10MW/20MJ級のSMESシステムを開発し電力系統への連系を図り総合的な性能検証を行うために、変動負荷と水力発電所を有する古河日光発電細尾発電所(日光市)に古河電気工業の協力を得て本システムを設置して2007年度から約半年間の実証試験をおこなった。そのなかで、九州電力は独自の系統安定化制御技術とSMESアナログシミュレーターなどを開発してその有効性を検証した。その結果、世界に先駆けて、SMESの実用化に向けてのシステム技術やコスト低減手法などの成果が得られた。

電力需要創出

リチウムイオン電池を用いたポータブル電源装置の開発

化石燃料の高効率利用やCO2削減、自然エネルギーの積極的活用など地球環境問題に対する技術開発は急務である。九州電力は三菱重工業と共同で、電力貯蔵用および電気自動車用大型リチウムイオン電池を開発し、蓄電技術の向上とあらゆる産業への適用化を研究した。リチウムイオン電池を用いたポータブル電源装置もその適用例の一つであり、これまでのエンジン発電機に比べ、騒音や排気ガスの出ないクリーン電源として期待されるものである。
ポータブル電源装置は2007年6月に開発に着手し、大きく3つのタイプ、「大容量タイプ」「キャリータイプ」「DCタイプ」をラインアップした。
大容量タイプは、交流100ボルト、出力3kW、電池容量6kWhで、3kW相当のエンジン発電機に相当する。装置単独で充放電制御が可能であることから、将来的には家庭用蓄電および非常用電源としても期待されるものである。
キャリータイプは出力1kW、電池容量は1kWh、2kWhのラインナップがある。こちらは可搬性を重視しており、山間部や都市部など車両で搬入不可能な場所でも手軽に持ち運ぶことができる。
DCタイプは非常災害時などに携帯電話を20台同時に充電できる機能を有し、直流12ボルト24ボルト、出力0.5kW、電池容量1kWhで、リチウム電池の直流電圧を変換し、そのまま直流の12ボルト24ボルトの機器に使えることから、効率がよく、インバーターが不要でありコンパクトな装置である。
普及のための課題として、イニシャルコストの低減を目指した研究を実施し、開発設計においては、可搬性や振動、衝撃特性を改善した軽量アルミフレームの採用、外装のFRP使用など、構造の簡素化と部品点数の削減を行いながらも強度を確保できる設計を実現し、あらゆる現場環境に耐え得る装置を完成した。
2008年の北海道洞爺湖サミットにおいては、環境技術を展示する政府主催の「環境ショーケース」の一環として、ポータブル電源装置が蓄電・非常用電源設備として展示され、内外報道関係者などに対して、世界最高水準であるわが国のエネルギー・環境技術をアピールし、その一助を担った。
ポータブル電源装置の開発を通じて、リチウムイオン電池を鉛電池の代替として適用するための技術要件について明確化できた。これらの実験データをふまえて開発したポータブル電源装置は多様な容量・出力・汎用性を持っており、多くの社内外企業より早期実用化が望まれている。2010年度末時点で、複数のポータブル電源を実際の配電工事現場でフィールド運用し、実用化に向けた試験は最終段階を迎えた。さらに研究を重ね、大容量で汎用性に優れた環境にやさしいポータブル電源装置の普及を目指した技術開発を展開することとしている。

電気自動車用充電器の開発

九州電力はCO2削減と電力需要の創出を目的として電気自動車(EV)普及に取組み、電気自動車の社用車としての適用性評価試験や電気自動車の本格普及に必要不可欠な充電機器の開発および充電インフラ整備をおこなった。
2007年3月に開発した急速充電器の特徴は、①充電部と充電スタンド部を分離し、充電スタンド部をコンパクト化②IDカードなどによる個人認証や課金システム機能を付加③充電スタンドを複数設置することで、複数車両へ同時に急速充電が可能なことの3点である。
この急速充電器は、三菱自動車工業が開発した「i-MiEV(アイ・ミーブ)」の業務用車両適用性評価試験(2007年3月~2009年3月)に合わせ、電気自動車との適合性評価試験(フィールド検証)をおこなった。2年間のフィールド検証の結果、使い勝手などの実用性や屋外環境下での耐久性などから事業化が可能であることが確認できたため、2009年9月からグループ会社のキューキで製造・販売を開始した。充電インフラ整備については、急速充電器と電気自動車間の通信規格標準化を目的とした協議会に参加し、関係する業界とともに電気自動車の普及促進に取り組んだ。
また、2009年度からはお客さまの充電ニーズに対応するため、普通充電スタンドの開発にも着手し、社内事業所にて実証試験を実施した。このほか、電気自動車の新たな利用方法として、電気自動車の残った電力を家庭へ供給することが可能となる「V2H(Vehicletohome)システム」の開発にも着手し、将来電気自動車が普及したときを想定した研究開発にも取り組んだ。
さらに、電気自動車の普及促進には、利用者が安心して走行できる充電インフラ設備が必要であるが、企業や自治体が個別に設置した充電設備を相互利用する仕組みが確立されていなかった。そこで、これらの問題を解決する試みの一つとして、家庭用コンセントに超小型のウェブサーバーを内蔵した充電コンセントをインターネットに接続することで、1台の充電器を共同利用できる「EVコンセント」を開発した。
EVコンセントとは、コンセント内部に超小型のウェブサーバーとCT・PT(電流・電圧センサー)および電磁リレーを内蔵しているコンセントである。コンセント内部にウェブサーバーを内蔵しているため、屋内外から携帯電話などを使ったコンセントごとの電源の「入」「切」(充電開始・充電停止)が可能な仕様となっている。また、コンセント内部に内蔵されたCT・PTにより充電電力量を計量し、利用者の携帯電話に充電電力量を知らせることもできる。
なお、EVコンセントは2010年3月に地元企業から発売されており、同年4月から、充電インフラを推進している企業がEVコンセントを活用した充電システムを開発し、ビジネス展開を図っている。このようななか、EVコンセントは産業界から高く評価され、第40回(2011年)日本産業技術大賞(注)「審査委員会特別賞」を受賞した。

(注)日本産業技術大賞:1972年に創設された表彰制度。その年に実用化された革新的な大型産業設備・構造物や、先端システム技術の開発、実用化で顕著な成果をあげた企業・グループを表彰し、技術開発を奨励することを目的としている。日刊工業新聞社主催。

生物資源活用のための電気利用技術の開発

地球温暖化の進展、世界的な人口増加、国内労働人口の減少、食に対する安全・安心などが問われるなかで、一次産業分野における脱化石燃料・電化推進による生産性向上・地域貢献および電力需要創出を目的として、環境と調和した電気の高度利用を中心に技術開発を推進した。

農業分野①

農業分野におけるヒートポンプ適用拡大
原油価格の高騰にともなう省エネルギーおよびCO2排出量低減に対応するため、2006年4月からバラ、ハウスミカン、コチョウランなど重油消費が比較的多い作物を中心に、ヒートポンプの適用技術に取り組んだ。暖房経費削減およびCO2排出量低減はもとより、冷房・除湿機能を活用した農産物の品質向上・収穫量増大効果も確認でき、地域生産者などとの共同研究プロジェクトに参加して、技術の普及、農業電化の推進に努めた。
また、農業用ハウスでの冷暖房時のさらなる高効率化を目的として、大地の恒温性を利用した地中熱利用ヒートポンプシステムに着目し、2007年4月から垂直型熱交換井方式の開発、および掘削コスト低減をねらった水平型熱交換器埋設方式の開発に2010年4月から取り組んだ。

農業分野②

養液栽培技術の普及と光利用など栽培環境調節による植物の機能性強化
国内でもいち早く取り組んできた養液栽培、野菜工場に関する技術を基に、高効率光源適用による植物の機能性強化研究や高効率空調システムの開発に取り組んだ。近年、国を挙げて植物工場の普及拡大の取組みが進むなかで、国内の先駆的研究機関として、社内外の多くの場で成果発表や技術コンサルタントを実施した。
光(LED照明)利用による高品質夏茶栽培技術や吸塩植物「アイスプラント」の佐賀県特産野菜化など、地域と連携したプロジェクト事業(2005年度)にも参加し地域貢献に努めた。

水産分野

ヒートポンプ利用閉鎖循環養殖システム開発
将来の地球温暖化などによる漁獲量減少、海面環境保護への対応および電力需要創出を目的として、ヒートポンプを適用した陸上養殖技術の開発に1998年度から取り組んだ。トラフグの閉鎖循環養殖システムを商品化し、引き続き、クエ、カレイを対象に、適用魚種拡大研究に取り組んだ。

環境分野 希少植物保全

社有林や発電所建設地点などで確認されたタコノアシ、カンラン、カノコユリなどの希少植物に関し、保全・増殖技術の確立に2004年4月から取り組んだ。