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2.原子力長期停止下での資金調達と財務改善に向けた取組み

原子力長期停止下での資金調達

原子力発電所の停止が長期化する中、当社は徹底した経営効率化に取り組んだものの、火力燃料費や購入電力料が大幅に増加したことなどから2011年度以降4期連続赤字となった。それに伴い、有利子負債残高は1兆円以上増加し、債券にかかる格付けも低下するなど、当社財務は大きく毀損していった。
そのような中、資金調達においては、原子力発電所の安全対策等にかかる設備投資及び債務償還等のため、多額の外部資金が必要な状況が続いた。一方、当社の資金調達環境は大きく変化し、特に2011年度においては、それまで資金調達の重要な手段であった普通社債については、市場環境の悪化により、発行を見送らざるを得ず、政府系金融機関やメガバンク、地方銀行等からの借入により多額の資金調達を実施した。

財務改善に向けた取組み

その後、電気料金の値上げや川内原子力発電所及び玄海原子力発電所の再稼働等に伴い、当社は2015年度以降黒字を継続し、自己資金は増加した。また、普通社債についても、2012年度以降継続的な発行が可能となっている。しかしながら、原子力発電所の安全対策等の設備投資の高止まりや、それまでの資金調達に伴う債務償還が増加するなど、依然として多額の外部資金調達が必要な状態が継続している。
2011年度以降現在に至るまで、当社は、普通社債の発行や金融機関からの借入等をベースとしつつも、低コストでの調達や資金調達源の多様化、及び財務体質改善を重視するとともに、株主のみなさまへの配慮を踏まえた資金調達も実施。具体的には、2014月の優先株式発行、2017月の転換社債発行、2019月の優先株式見直し(借換)、2020年10月のハイブリッド社債発行など、様々な手段で資金調達を実施した。