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2.激甚災害をうけたサプライチェーン強化

資材調達部門の使命の一つは、非常災害時における、迅速かつ円滑な復旧に向けた機動的かつ安定的な資機材の調達である。
東日本大震災では、地震と津波により原子力発電所を含めた甚大な設備被害に見舞われ、以降、全国的に、大規模・広域災害時のレジリエンス強化の必要性が高まり、自治体や企業においては、防災や事業継続計画(BCP)に関する取組みが展開されてきた。
さらに、2016年に発生した熊本地震においては、大規模な土砂崩れ等により、阿蘇地区の広範において供給支障が発生し、全電力会社からの応援を含め169台と過去に例のない規模での高圧発電機車による送電を実施した。約半月にもわたり1,000kl超に及ぶ大量の燃料を調達し、関西電力さまのご協力により燃料仮貯蔵所を設置し継続的な燃料供給を行うなど、これまでにない経験によって災害対応力が高まった。
これらにより、地震や津波による在庫喪失、メーカー生産力低下、道路途絶や長期化する復旧支援への要員不足などの課題が顕在化し、サプライチェーン全体を強化する仕組みが必要となった。その取組みとして、

①NEXCO西日本さまとの高速道路通行止め区間の緊急通行
②燃料供給協力事業者との燃料優先供給
③運送事業者との輸送車両の優先確保
④リース事業者との資機材賃貸借

の協定を締結するなど、復旧資機材のサプライヤーはもとより、社外関係箇所と協力体制を構築している。

また、南海トラフ巨大地震では、西日本の太平洋側全域が甚大な被害を受け、サプライチェーンへ深刻な影響が及ぶと想定されるため、パイロットとして、配電設備の主要資機材である①コンクリート柱、②被覆アルミ電線、③柱上変圧器について、一次サプライヤーと協働で「資機材継続確保策(サプライヤーマップ)」を作成した。この取組みをカテゴリー活動で展開するとともに、国内外の災害・紛争、感染症拡大などの有事の際にメインサプライヤーと連携してサプライチェーンを確保し安定調達を図るなど、事業継続計画(BCP)の推進をおこなっている。