社長メッセージ
株主の皆さまには、平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申しあげます。
私たちは、「ずっと先まで、明るくしたい。」という理念のもと、「持続可能な社会への貢献」と「九電グループの更なる進化」を目標とした「九電グループ経営ビジョン2030」の実現にグループ一体で取り組んできました。
その結果、原子力の安定した稼働や再エネ拡大に向けた事業統合などカーボンニュートラルを目指す取組みが着実に進展し、財務面でも2025年度の経常利益目標1,250億円を前倒しで達成するなど、ビジョン実現の道筋が見えています。
一方で私たちを取り巻く環境は、不安定化する国際情勢や災害の激甚化をもたらす気候変動、また生成AIをはじめとするIT技術の革新や働く人の価値観の多様化など、大きく変化しています。
こうした新たな機会や課題を捉えつつ、更に長期的な時間軸で「私たちは2050年にどういった価値を社会に提供していたいか」という視点を取り入れ、今回「九電グループ経営ビジョン2035」を策定しました。このビジョンには、「九州の強み」に「九電グループの強み」を掛け合わせることで地域の成長・発展を支え、ともに成長し、ずっと先まで「九州とともに、そして世界へ」価値を提供したいという私たちの思いを込めています。
九州では優れた人材や豊富な脱炭素電源などを背景に、半導体やデータセンターといった産業の集積が進みつつあり、将来的な電力需要の増加も見込まれています。私たちはこの好循環を支えるとともに、エネルギーの領域に留まらず、多様なニーズにお応えする事業やサービスを生み出すことで、地域や社会の課題解決に貢献し、社会価値と経済価値の双方を創出するグループとして、企業価値を一層高めていきます。
その基盤となるのは人と組織です。現在、グループ経営機能の強化と各事業の自律経営の推進に向けた新たな組織体制について検討を行うとともに、人と組織が共に成長しながら価値を創出する活動「QX(キューデントランスフォーメーション)プロジェクト」に取り組んでいます。
ビジョン実現のためには、それぞれの事業領域において、グループ各社、そして何よりも従業員一人ひとりが能力を最大限発揮することが不可欠です。QX(キューデントランスフォーメーション)プロジェクトをはじめとする人的資本経営を強力に推進することで、従業員の思いを九電グループの成長につなげていきます。
私たちは、グループ一体となって「九電グループ経営ビジョン 2035」を実現することで、「エネルギーから未来を拓く」企業グループへと進化し、九州から日本、そして世界を舞台に更なる高みを目指します。
株主の皆さまにおかれましては、なお一層のご理解とご協力を賜りますようお願い申しあげます。
