
平成18年3月15日 九州電力株式会社 |
「放電サンプリング装置」の開発について |
当社は神戸工業試験場グループ,住友金属テクノロジー株式会社と共同で,発電設備鋼材から破壊試験用の微小な試験片を採取できる世界でも最高水準の「放電サンプリング装置」を開発しました。 発電所設備の延命化を図るためには,実機部材から直接サンプルを採取して,精度の高い余寿命評価を行う必要があります。しかしながら,これまでの採取方法では,実機部材へ与える影響が大きく,採取後の溶接補修が必要でした。 そこで,当社は,実機部材への影響が少ない微小な試験片を採取することができる,「放電サンプリング装置」を開発しました。 今回開発した装置は,放電加工法(注1)により鋼材表面からサンプルを採取するもので,電極稼動部にならい機構(注2)を採用することにより,厚み約1mmのサンプル採取が可能です。また,実機部材の形状に合わせて自由に取り付け位置の設定を行うことができます。 本装置の採用により,設備の信頼性・健全性の確保や,効果的な設備の取替え時期の決定により修繕メンテナンス費用の低減を図ることができます。 今後は,発電所等において実機での評価を積み重ね,使用法に関するノウハウ,機能・性能データなどを蓄積し,電力供給の安定度確保に努めてゆきます。 |
以上 |
(注1) |
放電加工法 特殊加工の一種で,電極と被加工物との間に短い周期で繰り返されるアーク放電によって表面の一部を除去するものです。 |
(注2) |
ならい機構 木材や石膏などで模型を作り,その形状を転写するよう加工を行うものです。 |
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