九州電力株式会社
超流体化無機全固体リチウム電池開発における戦略的協業を台湾ProLogium社と開始しました
-産業用機械向けの高性能・高耐久性を持つ電池モジュールを開発-
当社はカーボンニュートラルの実現に向けて、台湾のProLogium Technology(本社:台湾・桃園市、CEO:Vincent Yang、以下ProLogium社)と、超流体化無機全固体リチウム電池(注1)の24Vモジュール(注2)の開発に向けた戦略的協業を開始しました。
ProLogium社は、超流体化無機全固体リチウム電池開発における優れた技術を持つ企業です。当社は、未来の事業を創出するプログラム「KYUDEN i-PROJECT」の一環として、2022年4月から産業用機械向けリチウムイオン蓄電池パック(注2)の製造・販売をおこなっています(2022年3月7日お知らせ済)。また、「九電グループ経営ビジョン2035」でも、2050年に向けて次世代電力貯蔵技術の開発・導入に向けて取り組むこととしています。
本協業は、ProLogium社の超流体化無機全固体リチウム電池における技術的優位性と、当社の電池監視制御設計技術及び電池応用能力を組み合わせることで、産業用機器に求められる優れた性能や高い耐久性を持つ電池モジュールを開発するものです。
両社は、本電池モジュールを大型電動機器や定置用蓄電池向けに提供し、エネルギー効率や安全性、持続時間、作業効率を向上させると共に、厳しい低温環境下でもバッテリー容量が低下しにくい新たな電池技術で、環境に優しく効率的なソリューションを提供することを目指します。
本協業において、ProLogium社は超流体化無機全固体リチウム電池セル(注2)を提供します。当社は、それを応用し、産業用機器を使用するエンドユーザー関連の電池モジュール開発を担当します。
なお、本電池モジュールの実用化に向けて、当社は株式会社正興電機製作所(本社:福岡市、代表取締役社長 添田 英俊)、双日九州株式会社(本社:福岡市、代表取締役社長 泉谷 幸児)と協働し、2027年度の販売及び量産化を目指します。また、2026年1月に米国で開催される国際消費者電子展(Consumer Electronics Show)でProLogium社と本電池モジュールの共同展示を予定しています。
九電グループは、今後もイノベーションを通じて、地域・社会の課題解決に貢献する新たな事業・サービスの創出に挑戦してまいります。
(注1)電解質が全て固体の電池。安全性、寿命、出力など多くの点で、電解液を用いたバッテリーを上回る性能を持ち、近年は特にEVの電源として注目を集めている。
(注2)バッテリーの単位。「セル」がバッテリーの最小単位。「モジュール」は、セルを直列あるいは並列に接続し、当社の技術をもって電池回路を制御するもの。「パック」は、使用目的に応じた容量となるよう複数モジュールを組み合わせたもの。
以上