1999年4月に決定した地球温暖化対策推進法の基本方針に,省エネルギー,新エネルギーとともに原子力の開発・利用の推進が示されました。
当社の1998年度のCO2排出量は,発電電力量の伸びに加え,原子力発電電力量が減少したことにより,前年度に比べ6%(36万トン-C)増加しました。
しかし,1998年度における原子力,LNG火力,水力発電などによるCO2排出抑制量は,約1,300万トン-Cと試算され,そのうち原子力発電の寄与度が最も大きく64%となっています。(下図参照)
もし,原子力発電電力量をすべて火力発電で賄ったと仮定するとCO2排出量は現在の2.3倍にもなることになります。
このようなことから,当社は安全性の確保を最重点として原子力発電を推進しています。
なお,国際的な基準年である1990年度と比べると,CO2排出原単位,排出量とも減少しています。
●当社の発電電力量構成比とCO2排出原単位
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●当社の電源別発電電力量とCO2排出量
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玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)
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●1998年度のC02排出抑制量と寄与度
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CO2削減と原子力の役割
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[増加するCO2排出量]
地球温暖化防止のため,日本はCO2などの温室効果ガスを1990年度排出レベルに対して,2008年~2012年に6%削減することになっています。(地球温暖化防止京都会議)
しかし,現在のエネルギー消費の傾向が続くと,日本のエネルギー消費は2010年度には,1990年度に比べ,約30%(約1億700万kl)増加することが見込まれ,これに伴い,CO2排出量も1990年度レベルから約30%(約8,600万トン-C)増加する見通しです。
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●日本の最終エネルギー消費及びCO2排出量の想定

(出典)H10.6 総合エネルギー調査会需給部会中間報告など
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[省エネルギーと原子力開発がCO2削減のカギ] CO2排出量を1990年度レベルまで削減するためには,徹底したエネルギー消費量の抑制やCO2排出の少ないエネルギー源の開発促進が必要です。CO2削減に当たっては,産業・民生・運輸部門における省エネルギーによるものは,70%と予想されており,目標達成のためには,CO2を排出しない原子力発電の開発が必要不可欠です。
●日本CO2削減(8,600万トン-C)対策別内訳
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(出典)H10.8 総合エネルギー調査会需給部会中間報告など
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[原子力発電の優位性]
原子力発電は,あらゆる電源の中で燃料確保の安定性,CO2排出面からの環境特性などに優れています。
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●確認されている世界のエネルギー資源量
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*可採年数=確認可採埋蔵量/年生産量
出典:総合エネルギー統計(平成10年度版)
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●電源別のCO2排出原単位

*上記のCO2排出量は,原料などの採掘から建設,輸送,精製,運用のため消費されるすべてのエネルギーを対象に算定。
(原子力については再処理,廃棄物処理,廃炉まで含む)
出典:電力中央研究所報告(1995年,1996年)
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