環境負荷低減に資する研究・開発
海域環境修復の実用化研究
海藻の群落である藻場には、魚貝類を育む機能、CO2を固定する機能及び水質を浄化する機能があることが知られています。しかしながら、地球温暖化を始めとした様々な理由で、藻場が減少する"磯やけ現象"が問題となっています。
当社は、魚貝類のすみかや水質浄化などの重要な役割を果たす藻場の造成を通して、減少した藻場の修復に関する研究を2001年度から行っています。
これまで、造成した藻場で海藻が順調に生育・増殖し、増殖した藻場に様々な魚貝類が集まり生息しているのを確認しており、現在は、これまでと異なる種類の海藻による藻場の造成研究に取り組んでいます。
なお、本研究で海藻の苗床として使用している中間育成プレートは、当社の火力発電所から発生する石炭灰を利用しており、循環型社会形成に貢献しています。この石炭灰で作製した育成プレートは、九州地域環境・リサイクル産業交流プラザ(K-RIP)から、"環境に配慮した性能を保有し、自然再生事業に適合する製品である"環境性能検証済証を付与されました。
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造成した藻場の状況 |
造成した藻場に産み |
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中間育成状況 |
中間育成プレート |
希少植物(絶滅危惧種)ならびに自生種の栽培に関する研究
地球上の生物は、判っているだけで約140万種、未知の種を合わせると300万から3,000万種にも及ぶと推測されています。そのうち毎年4万種が絶滅しているとも言われており、絶滅の脅威にさらされた野生生物の種の保存は、地球レベルで緊急に取り組むべき重要な課題となっています。このため、九州で絶滅が危惧される身近な植物について、保護を目的とした研究を行っています。
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九州の身近な植物で絶滅が危惧される「カンラン」を社有林に植栽して栽培試験を行っています。 平成22年12月末には開花を確認しました。 |

自然林(社有林)の中で開花したカンラン
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当社女子畑水力発電所ダム周辺にある「女子畑いこいの森」に自生し、絶滅が危惧される絶滅危惧種「タコノアシ」の植栽試験を行っています。 平成22年度は保護柵外への自生拡大を確認しました。 |

タコノアシ
○ | 樹木への日射を遮り、枯らしてしまう特定外来種のアレチウリが見つかり、植樹地の樹木保全のため防除方法を検討しています。 |

アレチウリ等の防除