事業概要

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よくあるお問合せ

よくあるご質問にお答えします

運転期間延長などの、原子力発電所に関する「よくあるご質問」についてお答えします。

Q1:40年を超えた発電所は設備が劣化しているのではないですか
A:川内原子力発電所は、運転開始以降、安全性の維持・向上を図るため、材質の改良なども踏まえ、定期検査の際に設備や機器を「新しいもの」に取り替えています。
また、取替えの難しい原子炉容器などについては、特別点検を実施し、異常がないことを確認しています。更に、特別点検の結果を含めた劣化状況評価を行い、現在おこなっている保全活動を引き続き実施するとともに、一部の機器について追加保全を講じることで、運転開始後60年時点においても、設備の健全性が確保されることを確認しています。
原子炉格納容器の図
Q2:劣化状況評価とは何ですか
A:劣化状況評価とは、安全機能を有する機器・構造物等を対象として、特別点検の結果とこれまでの運転経験や最新知見等を踏まえて、経年劣化事象が発生していないか、今後の運転で経年劣化事象が発生しないかを検討するものです。
更に、運転開始後60年時点の劣化状況を想定し、現状の保全活動で健全性が確保されるかを評価しており、川内原子力発電所については、現在おこなっている保全活動の継続及び一部の機器に追加保全を講じることで、運転開始後60年時点においても設備の健全性が確保されることを確認しています。
劣化状況評価の手順

【劣化状況評価の手順】

Q3:福島第一原子力発電所の事故を踏まえて、川内原子力発電所ではどのような安全対策を実施しているのですか
A:川内原子力発電所は、福島第一原子力発電所事故の教訓として策定された新規制基準に基づき、深層防護(幾重もの安全対策)の考えのもと、「炉心損傷防止」、「格納容器破損防止」、「放射性物質の拡散抑制」、「電源の確保」等、設備面での対応手段の多様化を図るとともに、万一の重大事故発生時にも速やかに事故収束できるよう体制や手順を整備し、日々、様々な訓練を積み重ね、対応能力を維持・向上するなど、運用管理面の充実にも取り組んでいます。
更に、故意による大型航空機の衝突やテロリズムにより、原子炉を冷却する機能が著しく損傷した場合に備え、冷却手段や電源を確保した特定重大事故等対処施設を設置するとともに、緊急に対応する要員がより一層確実に重大事故等に対処できるよう、要員の収容スペースの拡大や休憩室の整備等の支援機能を充実させた緊急時対策棟を設置しています。
原子力発電所の新規制基準

出典:「原子力・エネルギー図面集」

原子力発電所の新規制基準

【新規制基準で新たに設置した主要な設備等(イメージ)】

緊急時対策棟

【緊急時対策棟】

Q4:地震や火山噴火が起きたときの川内原子力発電所への影響が心配です
A:〔川内原子力発電所の地震対策〕

川内原子力発電所は、敷地の地質構造や過去の地震などを詳細に調査したうえで地震による揺れが増幅しにくい強固な岩盤上に直接設置されています。

また、原子炉容器、原子炉建屋、制御棒駆動装置、原子炉格納容器、使用済燃料ピット等の重要な建屋・機器については原子炉を安全に「停止し」、「冷やし」、放射性物質を「閉じ込める」機能が十分保てるように、特に厳しい耐震設計をおこなっています。

更に、建屋内の基礎岩盤付近に地震感知器を設置し、岩盤部で大きな揺れがあれば原子炉が自動停止するように設計にしています。

揺れの増幅のイメージ

【揺れの増幅のイメージ】

原子炉停止用地震感知器の設置

【原子炉停止用地震感知器の設置】

〔川内原子力発電所の火山対策〕
川内原子力発電所では、桜島などの火山を調査し、発電所に影響を及ぼす火山事象として、約1.3万年前の「桜島薩摩噴火(噴出物量11㎦)」による厚さ15cmの火山灰を想定し、その荷重や腐食等に対して、安全上重要な建屋や機器への影響がないことを評価しています。

更に、非常用ディーゼル発電機や可搬型ディーゼル注入ポンプの吸気部に接続するフィルタコンテナを設置しています。

可搬型ディーゼル注入ポンプによる火山灰対策

【可搬型ディーゼル注入ポンプの火山灰対策】

Q5:原子力発電所の事故が発生すると放射性物質が拡散されるから心配です
A:宇宙や大地など自然界に存在する放射線を自然放射線といい、人間は1人あたり年間平均2.4ミリシーベルト(世界平均)の自然放射線を受けています。
通常の原子力発電所の運転時においては、周囲の人が受ける放射線の量は極めて低く、管理目標0.05ミリシーベルト(年間)に対し、実際はその50分の1の0.001ミリシーベルト未満で、自然放射線の1000分の1未満です。
また、原子力発電所から運転に伴って放出される放射性物質が周辺の環境に影響を及ぼしていないことを監視するため、環境放射線モニタリングをおこなっており、自治体及び当社が空間の放射線量を測定したり、空気・水・野菜や魚などの放射能を測定し、両者の測定結果をチェックした上で、技術的に検討、評価して公表しています。
万が一の原子炉格納容器が損傷するような重大事故が発生した場合を想定し、放射性物質の環境への拡散を抑制するための放水砲や水中カーテンを配備しています。
放射性物質の拡散抑制

【放射性物質の拡散抑制】

Q6:原子力発電所は、戦争やテロの標的となるので心配です
A:外国からの武力攻撃については、国レベルの安全保障という立場から対処する必要があると考えています。
万一、日本で武力攻撃が起こった場合、国民保護法に基づいて、国や原子力規制委員会から原子炉の運転停止命令が出された段階で、運転を停止することになります。
なお、発電所の大規模な損壊や故意による大型航空機の衝突、その他テロリズムへの対応としては、新規制基準時に配備した可搬型設備や特定重大事故等対処施設を用いて、格納容器の破損防止等の必要な措置を行うこととしています。
また、原子力発電所の警備に関しては、警察、海上保安庁、自衛隊、規制当局及び発電所の協力関係を一層緊密なものとするための会議体が設置されており、関係箇所と連携を密に、原子力発電所の警備等に努めています。
特定重大事故等対処施設

【特定重大事故等対処施設】

Q7:原子力発電所で使い終わった使用済燃料がたまり続けるのではないですか
A:日本は資源が少ないため、原子力発電所で使い終わったウラン燃料を再処理し再び燃料として使用する「原子燃料サイクル」を国の基本方針としています。

当社としても、原子力発電所の使用済燃料を、もう一度燃料として使えるようにするため、青森県六ヶ所村にある日本原燃株式会社の再処理工場へ搬出することを基本方針としております。
日本原燃は再処理工場の2024年度上期のできるだけ早い時期の竣工に向けて審査に取り組まれており、当社を含む原子力事業者としても、原子燃料サイクルの推進のため、一日も早い竣工に向け、日本原燃を全面的に支援しているところです。

原子燃料サイクル

出典:「原子力・エネルギー図面集」

Q8:高レベル放射性廃棄物の最終処分場が決まっていませんが、どのように取り組んでいるのですか
A:使用済燃料を再処理する過程で発生する高レベル放射性廃棄物(ガラス固化体)は、最終的には地下300メートル以深の安定した地層中に処分(地層処分)することとされています。
国および事業の実施主体である原子力発電環境整備機構(NUMO)によって処分地の選定が進められており、2020年11月から北海道の寿都町と神恵内村において文献調査が行われています。

当社としても、高レベル放射性廃棄物(ガラス固化体)の発生者として、国やNUMOとも連携を図りながら、より多くの地域で最終処分事業に対するご関心やご理解が深まるよう、分かりやすい情報提供や地域の皆さまとの対話活動等に取り組んでいるところです。

高レベル放射性廃棄物の地層処分

【高レベル放射性廃棄物の地層処分】

出典:NUMO「高レベル放射性廃棄物の最終処分に関する対話型全国説明会説明資料(2023年5月)」


高レベル放射性廃棄物の処分選定プロセス

【高レベル放射性廃棄物の処分選定プロセス】

出典:NUMO「高レベル放射性廃棄物の最終処分に関する対話型全国説明会説明資料(2023年5月)」