事業概要

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原子力発電所の高経年化技術評価の概要

原子力発電所の高経年化技術評価の概要

 安全機能を有する機器・構造物等を対象とし、これまでの運転経験や最新知見等を踏まえ、腐食、疲労損傷、絶縁低下等の経年劣化事象が発生していないか、今後の運転で経年劣化事象が発生しないかを検討します。
 さらに、経年劣化事象が発生する可能性のある機器・構造物等について、運転開始後60年時点の劣化状況を想定し、現在の保全活動で健全性が確保されるかを評価します。

経年劣化に関する技術的な評価の例のイメージ
【高経年化技術評価の手順】
  1. 低サイクル疲労
    プラントの起動・停止等による温度、圧力の変化により、繰り返し応力がかかる部位に疲労が蓄積し、疲労割れが発生する事象
  2. 原子炉容器の中性子照射脆化
    原子炉容器は、燃料のウランが核分裂する過程で発生する「中性子」を長い年月をかけて受け続けることにより、次第に粘り強さが低下する(脆くなる)事象
  3. 炉内構造物の照射誘起型応力腐食割れ
    高い中性子照射を受け、引張応力が作用することで、応力腐食割れが発生する事象
  4. 熱時効
    高い温度で長時間使用することにより、次第に粘り強さが低下する(脆くなる)事象
  5. 電気・計装品の絶縁低下
    熱、放射線等の影響により、電気抵抗が低下し、絶縁性が低下する事象
  6. コンクリートの強度や遮蔽能力の低下
    熱、放射線等の影響により、時間とともに、コンクリートの強度や放射線の遮蔽能力が低下する事象