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原子力規制検査結果について「玄海原子力発電所3、4号機 系統分離対策を行う火災防護対象機器等選定時の誤った火災影響評価による火災防護対象機器等の系統分離対策の不備」

発生日

2023年11月22日

発電所

九州電力 玄海原子力発電所3、4号機(加圧水型軽水炉、定格電気出力118万kW)

内容

事象

 2023年11月22日の原子力規制委員会において、令和5年度第2四半期の原子力規制検査結果が報告され、次のことについて、安全重要度「緑」、深刻度の評価「SLⅣ(通知なし)」(注1)と判断されました。

概要

 玄海原子力発電所3、4号機において、令和4年度第1四半期の検査指摘事項「美浜発電所3号機工事計画に従った評価・施工の不備による補助給水機能に対する不十分な火災防護対策」の水平展開として現場確認が行われました。その結果、運転員等が火災の発生した火災区画へ消火後に立ち入り火災防護対象機器の弁等を手動操作することで、火災防護対象機器等は火災影響を受けないとする誤った考えのもと、火災防護対象機器等の中から系統分離対策(注2)を行う箇所を選定していたことから、必要な系統分離対策が施工されていないことが確認されました。
 本事象について、「工事計画に記載している火災防護審査基準の要求事項を満足していない。」との指摘を受けました。

 この指摘を受け、現場の運転操作では対応できない一部の機器及びその機器への電源制御ケーブルについて、系統分離対策(電線管等の耐火材設置)を行う箇所として追加し、工事を実施する予定です。

(注1) 安全重要度「緑」とは、検査指摘事項が、安全確保の機能又は性能への影響があるが限定的かつ極めて小さなものであり、事業者の改善措置活動により改善が見込める水準であるという評価結果をいう。
 SL(Severity Level)は、検査指摘事項に対して、原子力規制庁が必要に応じて講じる規制対応措置(原子炉等規制法に基づく措置命令、行政指導など)を決定するために、原子力安全に係る重要度評価とは別に評価される深刻度レベルであり、SLⅣ(通知なし)は最も深刻度が低く、原子力規制庁による規制対応措置が不要なもの。

(注2) 安全のために複数の同じ設備を設置する場合、火災により同時に機能喪失しないよう、それぞれの設備や電源ケーブル等を耐火隔壁や耐火材などで分離すること。 

以上